お中元にお返しをする必要はある? 贈る場合の注意点や表書きの書き方とは
親戚や会社の上司など、日頃お世話になっている方からお中元をいただいた際に、お返しをするべきか悩んだ経験はありませんか? 実際にお中元のお返しを贈ろうと考えている方の中には、どのようなマナーがあるのか分からないという方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、お中元にお返しは必要なのか、お返しを贈る場合はどのような点に注意すればよいのかなどをご紹介します。
【目次】
■お中元にお返しは必要?
■お中元のお返しを贈る際の注意点
・お返しを贈る時期
・お返しの品物の金額
・品物には挨拶状を添える
■お返しをする際ののしの書き方
■相手に失礼のないようにお返しをしよう
お中元にお返しは必要?
そもそもお中元とは、日頃からお世話になっている方へ、感謝の気持ちを伝えるための贈り物です。お中元は一般的に、目下の人から目上の立場の方に対して贈るものとされているので、品物をいただいたからといって、必ずしもお返しをする必要はありません。
ただし、お返しをする必要がないとはいえ、品物が届いたらすぐにハガキなどでお礼状を返し、荷物が届いた旨と感謝の気持ちを伝えるのがマナーです。
親しい友人から贈られてきた場合は、電話やメールだけでお礼を済ませるのもかまいませんが、縦書きの封書でお礼状を送るのが最も丁寧とされています。目上の方に対しては、縦書きの封書で感謝の気持ちを伝えるとよいでしょう。
⇒お中元のお礼状のマナーと書き方とは? ビジネス・個人別の例文もご紹介
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お中元のお返しを贈る際の注意点
お返しをする必要がないとはいえ、日頃特にお世話になっている上司や目上の方からお中元が贈られてきた、お中元をいただきすぎているなど、どうしてもお返しをしたい場合も考えられます。
そのような場合、お返しをすること自体に問題はありません。むしろお返しを贈ることで、より相手に感謝の気持ちを伝えられるでしょう。
しかし、お中元のお返しをする際にはいくつかマナーを押さえておかないと、相手に不快な気持ちを与えてしまうこともあるため注意が必要です。ここでは、お中元のお返しを贈る際の注意点をご紹介します。
・お返しを贈る時期
お中元をいただいた際は、お返しの品よりも先にお礼状を届けましょう。お礼状は、品物が届いてすぐに送るのが理想的で、難しい場合でも3日以内を目安に送ることが望ましいです。
お礼状とお返しを一緒に送るのもひとつの方法ですが、お返しの品を1日や2日で用意できない場合は、お礼状の到着が遅れてしまうことにつながるため、避けた方が無難です。また、お礼状を出してすぐにお返しの品物を贈ってしまうと、相手に形式ばった印象を与えたり、気を遣わせてしまったと感じさせたりする恐れもあります。
相手の誤解を避けるためにも、お礼状を送ってから1週間程度の間をあけてお返しを贈るようにするとよいでしょう。相手に気を遣わせたくない際は、お中元のお返しではなく、「旅行のお土産」といったような自然な形で相手に品物を渡すのも手です。
時間をあけたためにお中元の時期を過ぎてしまった場合は、「暑中見舞い」や「残暑見舞い」としてお返しを贈ることができます。お中元の時期は地域によって異なるため、事前に相手の住む地域はいつ頃がお中元の時期なのかを調べておくことをおすすめします。
⇒お中元と暑中見舞いの違いとは? はがきの文例やマナーもご紹介
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・お返しの品物の金額
お中元のお返しの金額は、相手との関係性によっても変わりますが、一般的にはいただいた品物の半額から同額以下ぐらいが目安とされています。親しい友人や同僚などでお中元を贈り合う間柄の場合は、同額程度のお返しを用意しても問題ありませんが、目上の人や目下の人など、同等ではない関係の人にお返しをする場合は、必ずいただいた品物よりも安い品物を選ぶようにしましょう。
「普段からとてもお世話になっている方だから、感謝の気持ちを伝えたい」と、いただいた品物より高額なお返しをしてしまうと、「次回からお中元は贈らなくて結構です」という意味になってしまい、大変失礼に当たります。
逆に、お中元と同額か少し高めの品物を贈って、相手に断りの意を示すこともできますが、その際はお礼状に「お気遣いなく」など一言添えておくと丁寧です。
また、お中元のお返しは金額だけでなく品物の種類にも注意しなければいけません。たとえば、いただいた贈り物が美味しかったからといってまったく同じものを贈ってしまうと、お中元を送り返されたと受け取られる可能性もあります。
思ってもみなかったことにならないためにも、いただいたお中元とは別の品物をお返しとして用意しておきましょう。
⇒お中元の相場はいくら? 贈る相手別の金額やマナーとは
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・品物には挨拶状を添える
お中元のお返しは挨拶状や送り状などを封書に入れ、品物に添えて送るのがマナーです。ただし、近年はお店などから直接送ったり、インターネット通販サイトで品物を用意したりすることも多くなっています。
添え状に対応してくれるお店もありますが、品物に挨拶状を添えることが難しい場合は、お返しの品物よりも先に送り状が届くよう手配しておく必要があります。相手が出かけていて受け取れなかった、冷凍庫がいっぱいで保存場所がないといった事態を防ぐためにも、送り状には「いつ頃、どんな品物が届くか」を記載しておくと丁寧です。
お中元へのお礼はお礼状で済ませているため、挨拶状に記載する必要はありません。時候の挨拶や相手の健康を気遣う言葉を添えた、シンプルな挨拶状の文面を使うようにしましょう。
お返しをする際ののしの書き方
お中元のお返しの品物にも、お中元と同じようにのし紙をかけ、表書きを書きます。お中元の時期にお返しをする場合は、表書きは「お中元」または「御中元」とするのが一般的です。ただし、目下の人にお中元のお返しをする場合は「お礼」または「御礼」とすることもあります。
今年だけお返しを贈りたいといった場合も、表書きは「お礼」や「御礼」とした方がよいでしょう。
お中元やお歳暮といった季節の挨拶は1年限りではなく、その人との付き合いが続く限り継続的に贈り続けるもののため、今年だけ贈るというのはマナー違反になるため注意が必要です。
また、お返しを贈るタイミングがお中元の時期を過ぎてしまった場合でも、立秋までは表書きを「暑中御見舞」として、立秋も過ぎてしまった場合は表書きを「残暑御見舞」として贈ることができます。立秋は年によって日付が異なりますが、例年8月7日頃です。
書中見舞いや残暑見舞いとして品物を贈る際に「御見舞」という言葉を表書きに使うと、自分が相手よりも上の立場だということになってしまいます。目上の相手に「御見舞」という言葉を使うのは避け、「暑中御伺い」「残暑御伺い」などとするのがマナーです。
相手に失礼のないようにお返しをしよう
お中元のお返しは、高い品物を贈ればよいというものではありません。むしろ、場合によっては相手に不快な思いを与えてしまうことも考えられます。
お中元をいただいたら、まずはお礼状を送りましょう。お中元のお返しは必ずしも必要ではありませんが、贈る場合は時期や品物の金額、挨拶状、表書きなどのマナーを守ることが大切です。
相手からの気持ちを素直に受け取り、「お気遣いいただいてどうもありがとう」という自分の気持ちを失礼のないように伝えられるお返しを心がけましょう。