お中元の渡し方とは? 手渡しや郵送する際の正しいマナーをご紹介
日頃からお世話になっている会社の上司や親戚などに、感謝の気持ちを込めたお礼として贈るのがお中元です。近年は配送サービスなどを活用して郵送するのが主流になっていますが、相手宅に訪問して手渡しするのが正式な渡し方だということはご存知でしょうか。
手渡しと郵送の場合でそれぞれマナーがあるため、お中元の正しい渡し方を知っておく必要があります。
ここでは、お中元の正しい渡し方や、手渡しする場合と郵送する場合のそれぞれで注意したいマナーなどをご紹介します。
【目次】
■お中元の渡し方
■お中元を贈る前に時期を確認
■お中元を手渡しする際のマナー
・事前に連絡を入れてから訪問する
・風呂敷や紙袋に包んで持参する
・手渡しする際の正しい手順
・外出先やビジネスシーンでお中元を渡す場合は注意
■お中元を郵送する際のマナー
・先に送り状を送る
・のし紙は内のしを使う
■お中元は正しい渡し方で贈ろう
お中元の渡し方
お中元は本来、先方の自宅を直接訪問して、品物を手渡しするのが正式なマナーとされています。近年は、相手が遠方に住んでいて直接訪問するのが難しい、仕事などが多忙でお互いの時間が合わせられないなどの理由から手渡しが難しい場合もあり、郵送で済ませるケースも多いです。
手渡しが正式なマナーとされているとはいえ、お中元を郵送することがマナー違反というわけではありません。どちらの方法でお中元を贈る場合でも、大切なのは相手への感謝の気持ちをしっかり伝えることです。
先方の都合をあらかじめ確認したうえで、直接訪問できる場合は手渡しをする、遠方の場合や時間の都合がつかない場合は配送サービスを活用するなど、うまく使い分けると良いでしょう。
お中元を贈る前に時期を確認
お中元は、関東では7月初旬から7月15日頃まで、関西では7月中旬から8月15日頃までなど、地域によって時期が異なります。
お中元を渡す際は手渡し、郵送に関わらず、相手の住んでいる地域のお中元の時期はいつなのかを確認しておくことが大切です。
近年は配送の集中による遅れなどを避けるため、6月末など早めの時期に配送するケースも増えてきていますが、マナーとして各地のお中元の時期は押さえておきましょう。
⇒お中元の時期はいつからいつまで?贈り先の地域を要確認!
http://e-mono.jr-central.co.jp/column/ochugen/jiki.html
お中元を手渡しする際のマナー
近年はお中元を手渡しする機会が少ないため、マナーをよく知らないという方も多いでしょう。ここからは、相手宅に直接訪問してお中元を手渡しする際のマナーをご紹介します。
・事前に連絡を入れてから訪問する
まずは、訪問する前に電話などで先方に連絡を取り、「夏の御挨拶に伺いたい」旨を伝えましょう。電話をする際は、「お中元を渡したい」といった直接的な表現は避けるのが一般的です。
訪問する時間帯は早朝や夜間、お昼時など、相手に迷惑をかけると思われる時間を避けるようにします。10時から16時の間で、食事の時間帯を避けて訪問するのが望ましいですが、相手が日時を指定した場合はそちらに合わせるとよいでしょう。
相手に来客の準備を急がせてしまうことにつながるため、約束の時間よりも早めに着いてしまうのはマナー違反です。
・風呂敷や紙袋に包んで持参する
お中元を手渡しする際は、風呂敷に包んで持参するのが正式なマナーとされていますが、紙袋に入れて持参するのも問題はありません。しかし、紙袋が汚れたり折れたりしていると相手に対して失礼なので、できるだけ未使用できれいなものを選びましょう。
また、のしは風呂敷、紙袋に関わらず、品物を包装紙で包んだ上からのし紙を掛ける「外のし」にして、表書きが一目で確認できるようにお中元を持参するのがマナーです。
・手渡しする際の正しい手順
相手宅に到着しても、いきなり品物を渡すのは避けましょう。一般的には室内に通されてから、時間を取ってくれたことに対してお礼を述べたうえでお中元を渡すのがマナーです。
急な訪問になってしまった際など、玄関先で品物を渡すこともありますが、その場合は立ったまま品物を渡すことになるので、室内に通された場合と渡し方が異なります。
【室内に通された場合】
挨拶を済ませて、風呂敷や紙袋から品物を取り出したら、まずは品物を自分側に向けて汚れや傷といった粗相がないかを確認しましょう。
問題がなければ品物を時計回りに180度回して、相手が表書きを読めるようにしてから、両手で品物を持って差し出します。その際、「お気に召すと嬉しいです」や「お納めください」など、感謝の気持ちが伝わるような言葉を添えるとより丁寧です。
【玄関先で渡す場合】
まず、利き手ではない方で風呂敷を抱えながら、利き手で風呂敷をほどいて品物を取り出しましょう。品物を抱え込むように持ったら、利き手で風呂敷を折りたたんだうえで、一言添えながら両手で品物を渡します。
贈答品を渡す際に「つまらないものですが」という言葉を使う場合もありますが、他人行儀に思われたり、不快な気持ちを感じたりする方もいるようです。謙遜の気持ちを伝える言葉で、本来失礼な意味はないのですが、使用は避けた方がよいでしょう。
また、相手宅を訪問してお中元を手渡しする際はどちらの場合も、お中元を入れておいた風呂敷や紙袋は持ち帰るのがマナーです。
・外出先やビジネスシーンでお中元を渡す場合は注意
外出先やビジネスシーンでお中元を渡す際は、紙袋をこちらが持ち帰ってしまうと、相手が品物を持ち帰りづらくなってしまうことも考えられます。喫茶店や取引先のオフィスなどで相手にお中元を渡す場合は、紙袋のまま渡した方がよいでしょう。相手の状況を考えながら、どのように渡すのがよいか判断することが大切です。
紙袋のままお中元を渡す場合は、紙袋の底の部分と取っ手の付け根あたりに手を添えて、「紙袋のまま失礼します」などの言葉とともにお中元を渡します。
お中元を郵送する際のマナー
お中元を直接手渡しするのではなく郵送する際にも、いくつか注意しなければいけないマナーがあります。どのようなマナーがあるのかを確認して、失礼のないようにお中元を贈りましょう。
・先に送り状を送る
送り状には、相手への挨拶だけでなく「お中元を贈ったこと」や「お中元がいつ頃到着するのか」を知らせる意味もあります。先方が出張や旅行などで品物を受け取れないことも考えられるので、お中元を郵送する際は先に送り状を出しておきましょう。
両親や親戚などのように、親しい間柄の方にお中元を贈る場合は電話やメールで伝えるだけでも問題ありませんが、会社の上司など目上の方に贈る際は、マナーとして送り状を用意しておくことをおすすめします。
⇒お中元の送り状はなぜ必要? 書き方や相手別の文例をご紹介
http://e-mono.jr-central.co.jp/column/ochugen/invoice.html
・のし紙は内のしを使う
配送サービスを使ってお中元を贈る場合、配送中に他の荷物とぶつかるなどして、のし紙が汚れたり傷ついたりしてしまう可能性があります。手渡しする際とは逆に、のし紙を品物に掛けてから包装紙で包む「内のし」と呼ばれる包み方にするとよいでしょう。
⇒お中元の熨斗(のし)の意味・書き方・注意点を解説
http://e-mono.jr-central.co.jp/column/ochugen/noshi.html
お中元は正しい渡し方で贈ろう
お中元は手渡しの場合と郵送の場合それぞれにマナーがあります。品物だけでなく、お中元の時期や渡し方のマナーにも気を配ることで、より相手に喜ばれるお中元になるのではないでしょうか。
お中元を渡す際に大切なことは、相手への感謝の気持ちと気配りの心です。マナーを守った正しい渡し方を心がけて、自身の気持ちをしっかり伝えられるお中元を贈りましょう。