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お中元とお歳暮の違いと意味とは? 基礎知識やマナーを知って感謝を伝えよう

お歳暮

お中元とお歳暮は共に、お世話になった方へ日頃の感謝を伝えるために贈り物をする風習です。贈る目的が同じであるため、お中元とお歳暮の違いがよく分からない方も多いことでしょう。
起源や相場など、お中元とお歳暮には多くの違いがあります。贈る時期も異なるため、両方贈るべきか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、お中元とお歳暮の違いを明らかにし、それぞれの基礎知識やマナーについても解説していきます。お中元とお歳暮について正しく理解し、相手に失礼がないように感謝を伝えましょう。

お中元とお歳暮の違い

お中元とお歳暮の主な違いは、起源、贈る時期、金額の3つです。お中元とお歳暮、それぞれの風習が生まれた背景や贈る時期の違い、金額の違いについて詳しく解説します。

・起源(由来)

お中元は中国由来の文化です。中国の暦では1月15日は上元、7月15日は中元、10月15日は下元というように3つに分けており、中元に当たる7月15日は贖罪の日とされていました。

中国における「中元」は、日本で言う「盆」に当たります。日本では中元の風習が仏教の風習と混ざることで贈り物を贈り合うものへと変化していき、現在では日頃お世話になっている方や上司など目上の方への感謝の気持ちを伝える習慣として、「お中元」が定着しています。

お歳暮については、日本古来の風習が起源と言われています。もともとお歳暮は、年の暮れに行われる先祖を祀るための行事、「御霊祭」におけるお供え物として贈られていました。その後、分家した人や嫁いだ人などが年の締めくくりに親族を中心に品物を贈っていましたが、時代とともに、日頃お世話になった方に一年の感謝を伝える贈り物をする行事として定着しました。

前述したようにお中元は夏場、お歳暮は年末に贈るものです。感謝を伝える贈り物という点ではどちらも同じですが、お中元は上半期の、お歳暮は一年を通しての感謝を伝える贈り物とされているため、お歳暮のほうが重視される傾向にあります。

・時期

お中元とお歳暮は、贈る時期にも違いがあります。それぞれ東日本と西日本など地域によって時期がずれるため、贈る際は相手の住む地域にも注意する必要があります。

お中元は一般的に、関東では7月初旬〜7月15日まで、関西では7月中旬〜8月15日までに贈ります。ただし北陸、九州、沖縄はお中元の時期が特殊なため、贈る際は注意しましょう。

お歳暮は、お正月事始めの日である12月13日から12月20日までに贈るのが一般的ですが、お中元と同じく地域差があるため注意が必要です。近年はお歳暮を贈る時期が早まってきており、11月末に贈る方もいらっしゃいます。
ただし、お正月用品として魚のような生鮮食品を贈る場合は、できるだけお正月に近い日に届くようにした方がよいでしょう。

お中元とお歳暮の詳しい時期は、以下の表をご覧ください。

お中元 お歳暮
北海道 7月15日から
8月15日まで
12月13日から
12月20日
東北・関東 7月初旬から
7月15日まで
東北は12月13日から25日頃、
関東は12月初旬から12月31日
北陸 北海道と同じ地区、
関東と同じ地区に分かれる
12月13日から
12月20日
東海・関西・
中国・四国
7月中旬から
8月15日まで
東海・中国・四国は12月13日から25日頃、
関西は12月13日から12月31日
九州 8月1日から
8月15日
12月13日から
12月20日
沖縄 旧暦の7月15日前後
(8月中旬〜9月初旬頃)
12月13日から
12月20日

⇒「お中元の時期はいつからいつまで? 贈り先の地域を要確認!」はこちら

⇒「お歳暮を贈る時期はいつまで? 贈り先や品選び、贈り逃した場合なども解説」はこちら

・金額

お中元は半年間の感謝を伝えて下半期の健康を祈るもので、お歳暮は1年間の感謝を伝える贈り物です。そのため、お歳暮はお中元より相場が高く、2〜3割高めの贈り物が選ばれる傾向にあります。
お中元の金額の相場は贈る相手によっても違いがあり、親戚や知人は3,000円程度、仲人や上司は5,000円程度と言われていますが、特別お世話になっている方に対しては相場よりも若干高価な贈り物をされる方が多いです。

お中元・お歳暮の基礎知識やマナー

お中元とお歳暮は、お世話になった方へ感謝を伝える大切な習慣です。基礎的な知識やマナーができていないと失礼にあたることもあるため、まずお中元とお歳暮について正しい理解が必要になります。
贈る際のマナーだけではなく、喪中の場合や贈る時期を逃してしまった場合の対処法なども解説しますので、ぜひ参考にしてください。

・お中元とお歳暮は両方贈るべき?

お中元とお歳暮は両方贈ることが一般的ですが、必ずしも両方贈らなければいけないわけではありません。予算の都合などで両方を贈るのが難しいような場合は、一年間の感謝の気持ちを表すお歳暮を贈りましょう。
両方を贈る場合は金額の項で紹介したように、お中元よりもお歳暮の方が2〜3割ほど高くなるように品物を選ぶのがマナーです。

・贈るときは続けて贈ることを前提に

お中元とお歳暮は、毎年感謝を伝えることを前提に贈り続けるものです。一度きりの感謝ではないため、これから長く付き合う方や感謝を伝え続けたい方であるか、贈ることが相手にとって負担にならないかなど、さまざまなことを考慮した上で贈ることを決める必要があります。

疎遠になりつつあるなどの理由でお中元やお歳暮を贈るのをやめたいという気持ちになることも考えられますが、突然贈るのをやめてしまうと、相手に心配をかけてしまったり失礼にあたったりします。両方贈っていたものをお歳暮だけ、年賀状だけなど、段階的にやめていくことがマナーです。

・喪中や時期を過ぎてしまった場合は?

お中元やお歳暮は、贈る側と受け取る側どちらかが喪中でも贈って良いものとされています。ただし、のし紙や時期に配慮してお中元やお歳暮を贈る必要があります。

喪中の相手に贈る際は、家の整理や気持ちの整理など遺族にとって負担のかかる時期である四十九日を避けるようにしましょう。お中元やお歳暮ののし紙に使われる慶事を表す紅白の水引は避け、白無地の奉書紙と黒白の水引を使うといった配慮も必要です。

また前述したようにお中元とお歳暮は贈る時期が決まっていますが、やむを得ない事情で時期を過ぎてしまうことも考えられます。もし時期を過ぎてしまった場合は、以下のようにのし紙の表書きを変えて贈ることもできます。

――お中元の場合

「御中元」(時期に合わせて贈る時)
「暑中見舞い」(7月15日を過ぎた時)
「残暑見舞い」(立秋を過ぎた時)

――お歳暮の場合

「御年賀」「御歳暮」(時期に合わせて贈る時)
「寒中見舞い」(時期を過ぎた時)

⇒「お中元の熨斗(のし)の意味・書き方・注意点を解説」はこちら

⇒「お歳暮の熨斗(のし)の種類・書き方・マナーを解説」はこちら

・お中元やお歳暮を受け取った時のマナー

お中元とお歳暮は贈る際だけでなく、受け取る際のマナーも大切です。お中元やお歳暮を受け取ったら、日頃の感謝の気持ちを込めてなるべく早く先方にお礼状を書きましょう。お礼状には、季節に合わせた時候のご挨拶や贈り物に対するお礼、これからの活躍を願う言葉などを書くのが一般的です。

また、基本的にはお中元やお歳暮のお返しは不要です。お返しをすると相手にかえって気を遣わせてしまうことも考えられるため、お礼状を出すことで感謝を伝えましょう。

どうしても品物でお返しをしたいという場合は、暑中見舞いや残暑見舞いという形で時期をずらし、相手の負担にならないように贈る方法もあります。

⇒「お中元のお礼状の書き方を解説! ビジネス・個人別の例文もご紹介」はこちら

⇒「お歳暮のお礼状の書き方は? ビジネス/個人別にマナーと文例を紹介」はこちら

⇒「お中元と暑中見舞いの違いとは? はがきの文例やマナーもご紹介」はこちら

お中元やお歳暮で人気の品物とは?

お中元は夏、お歳暮は年末に贈るため、季節に合わせた品物を選ぶのがおすすめです。お中元とお歳暮、それぞれの時期に人気がある品物をご紹介します。

・お中元で人気の品物

お中元を贈る7月〜8月は夏本番であるため、以下のような暑い夏を涼しくしてくれる品物や日持ちするものが人気です。

・アイスクリーム
・ゼリー
・フルーツ(メロン・スイカなど)
・そうめん、そば、うどん
・ビール

お酒に合わせておつまみを贈ったり、飲料に合わせてグラスを贈ったりすると、より喜ばれるお中元となるでしょう。

・お歳暮で人気の品物

お歳暮は1年のしめくくりとなる時期に贈るため、相手が家族で楽しむことができる以下のような品物が人気です。

・鍋セット
・魚の干物セット
・ハムやソーセージ
・海鮮
・お酒

家族で囲める食べものだけでなく、お正月の料理に使える食材もおすすめです。

お中元やお歳暮には感謝が伝わる贈り物を

お中元とお歳暮は、お世話になった方へ感謝を伝える大切な行事です。これまでの感謝の気持ちや相手の健康を祈る風習であり、人間関係を深める機会でもありますが、基礎知識やマナーが守られていなければ相手に感謝が伝わらないかもしれません。
お中元とお歳暮の違いやそれぞれの基礎知識、マナーをおさえて贈り物をすることで、気持ちをより伝えることができるでしょう。日頃の感謝を伝える機会ですので、個人やビジネスでお世話になった方を思って、相手に喜ばれる贈り物を選びましょう。