
奈良の「森」をイメージしたジン
良い方向に転じていったジンということで、名前は「流転」。
大和蒸溜所のコンセプトの一つが「奈良を表現する」です。流転は、奈良の「森」をイメージして造られたジンです。
蒸溜所長の板床さんは、ウッディなジンを作ろうと香りのイメージを考えながら、ボトル作りも平行して進めていました。森をイメージした緑インクの調整をメーカーさんに相談したところ、「緑は一色しかない。色の調整はできない」と出来上がったインクは、望んだ濃い緑色より薄く、はじめは少し残念だなと思ったそうですが、そこからどんどんインスピレーションが湧き、香りのイメージが“荘厳な森”から“新緑の若葉”へと変わり、アクセントになるボタニカルも決まっていったそうです。
【使用ボタニカル】ジュニパーベリー・大和橘・大和当帰・吉野杉・吉野檜・キハダの実
流転・・・【「流」は相続、「転」は起こる意】㊀「仏教で」迷いの生死を続け、六道の間を生まれ変わること。輪廻。㊁限りなく移り変わること。「万物流転」
-三省堂 新明解国語辞典-

奈良の美しい景色を守りたい。
奈良県御所(ごせ)にある油長酒造は、自分たちがお酒を作り続けることにより、奈良の森や里山の美しい風景を守る力になれればと、日本酒もジンも原材料は奈良産にこだわっています。
蔵主の山本さんは、知人とジンについて語りながら、「ジンは薬草と関わりが深い。古来から薬草栽培が行われてきた奈良産のボタニカルで、皆が驚くような美味しさのジンを作ることは、奈良の風土の魅力を発信する一つになる。」という考えに自然に辿り着いたそうです。
生産者さんの減少で絶滅しそうな植物である大和当帰や大和橘の香りや風味を知り、「本当に、この土地は良いボタニカルに恵まれている」と山本さんは話していました。
さらに「橘」は、油長酒造の蔵主である山本家の家紋であることにも縁を感じたそうです。
いまでは、全国のバーテンダーが驚き、感動し、実際に大和蒸溜所に訪れるほど、奈良を代表するジンになっています。
「ジン」=「薬酒」とも言われるように、橘花ジンを飲むと、奈良の自然の風景や爽やかな風を感じ、心が洗われたようにリフレッシュできるという感想もあります。
大和蒸溜所のある「御所まち」は、江戸時代初期に形成された陣屋町です。その後も奈良県西南部の中心地として繁栄を誇ってきました。葛城川をはさんで西側は商業都市として栄えた西御所、東側は寺内町の東御所と、2つの町が形成され、江戸時代の検地絵図が今でも使えるほど、町のかたちがよく残っています。
家々の間を流れる水路(背割り下水)まで、ほぼ当時の姿をとどめています。伝統的な建物が数多く並ぶ風情ある街をぜひご覧ください。

- かつて日本の都があった奈良は漢方薬伝来の地とも言われ、日本書紀・巻第二十二(611年)に「夏五月の五日に、菟田野(現・奈良県宇陀市)に薬猟(くすりがり)す。」と記録が残るように、古くから漢方薬と深い関わりがありました。この薬猟とは、鹿の角をとり、薬草を摘む宮中行事で、そのルーツは高句麗と古代中国だと言われています。現在でも奈良には製薬会社や漢方薬局が多く、中には約700年の歴史を持つところも。
薬酒として生まれたジンは、その原材料が漢方薬に使われる薬草と共通するものもあり、奈良らしさを描くための最高のキャンバスだと考えました。
奈良の風土と歴史を蒸溜したジン蒸溜所を目指し、奈良の古称「大和」を冠しました。
蒸溜所の建物は、築約150年の古民家。昔ながらの趣を残しながら、現代の建築技術でリノベーション。
250年前の街並みが残る「御所まち」の景観に溶け込む様に存在する蒸留所です。
(油長酒造株式会社 山本 長兵衛)











300年の歴史ある酒蔵が奈良のボタニカルで造るジン。「流転」はジュニパーベリーの清涼感のある香りに、杉や檜由来のウッディなアロマが混じり合い、まるで森林浴をしているかのような清々しさを感じられます。