
苺が好きだから。ただそれだけ。
大好きな苺を使ってジン作りたいな〜と、蒸溜所長である板床さんがぼんやり考えはじめたのがスタート。明日香村の農産物直売所で “あすかルビー”という品種の苺を買い、それを食べながら奈良県の苺を調べていたら、面白い歴史があることを知ったそうです。
・かつて東洋一の試験場で苺の研究が盛んに行われていたこと。
・ハウス栽培の導入などにより、春の果物だった苺が3月、2月と徐々に収穫時期を早める事が可能になったこと。
「奈良には苺の歴史がある。産地は近い。大好きな苺でジンを作る!」と、直ぐに製造に取り掛かります。何度もレシピの微調整・蒸溜方法の工夫を重ねたそうです。
味はもちろん、ボトルを含むパッケージのカラーも、納得いくまでこだわりました。
それが、板床さんの苺愛がいっぱいの、この「橘花KIKKA GIN 朱華」です。
【使用ボタニカル】ジュニパーベリー・大和橘・大和当帰・苺
・朱華(ハネズ)とは
日本の伝統色で万葉集にもその名が見られる由緒ある色と言われています。朱華色とは黄色がかった薄い赤色の事で、天武天皇や持統天皇の頃には親王の色とされ、平安時代には禁色にもなっていたほどです。ちなみに朱華色の染色は退色しやすかったそうで、万葉集にも「移ろいやすい心」にかけて詠まれた歌があります。

奈良の美しい景色を守りたい。
奈良県御所(ごせ)にある油長酒造は、自分たちがお酒を作り続けることにより、奈良の森や里山の美しい風景を守る力になれればと、日本酒もジンも原材料は奈良産にこだわっています。
蔵主の山本さんは、知人とジンについて語りながら、「ジンは薬草と関わりが深い。古来から薬草栽培が行われてきた奈良産のボタニカルで、皆が驚くような美味しさのジンを作ることは、奈良の風土の魅力を発信する一つになる。」という考えに自然に辿り着いたそうです。
生産者さんの減少で絶滅しそうな植物である大和当帰や大和橘の香りや風味を知り、「本当に、この土地は良いボタニカルに恵まれている」と山本さんは話していました。
さらに「橘」は、油長酒造の蔵主である山本家の家紋であることにも縁を感じたそうです。
いまでは、全国のバーテンダーが驚き、感動し、実際に大和蒸溜所に訪れるほど、奈良を代表するジンになっています。
「ジン」=「薬酒」とも言われるように、橘花ジンを飲むと、奈良の自然の風景や爽やかな風を感じ、心が洗われたようにリフレッシュできるという感想もあります。
大和蒸溜所のある「御所まち」は、江戸時代初期に形成された陣屋町です。その後も奈良県西南部の中心地として繁栄を誇ってきました。葛城川をはさんで西側は商業都市として栄えた西御所、東側は寺内町の東御所と、2つの町が形成され、江戸時代の検地絵図が今でも使えるほど、町のかたちがよく残っています。
家々の間を流れる水路(背割り下水)まで、ほぼ当時の姿をとどめています。伝統的な建物が数多く並ぶ風情ある街をぜひご覧ください。

- かつて日本の都があった奈良は漢方薬伝来の地とも言われ、日本書紀・巻第二十二(611年)に「夏五月の五日に、菟田野(現・奈良県宇陀市)に薬猟(くすりがり)す。」と記録が残るように、古くから漢方薬と深い関わりがありました。この薬猟とは、鹿の角をとり、薬草を摘む宮中行事で、そのルーツは高句麗と古代中国だと言われています。現在でも奈良には製薬会社や漢方薬局が多く、中には約700年の歴史を持つところも。
薬酒として生まれたジンは、その原材料が漢方薬に使われる薬草と共通するものもあり、奈良らしさを描くための最高のキャンバスだと考えました。
奈良の風土と歴史を蒸溜したジン蒸溜所を目指し、奈良の古称「大和」を冠しました。
蒸溜所の建物は、築約150年の古民家。昔ながらの趣を残しながら、現代の建築技術でリノベーション。
250年前の街並みが残る「御所まち」の景観に溶け込む様に存在する蒸溜所です。
(油長酒造株式会社 山本 長兵衛)












300年の歴史ある酒蔵が奈良のボタニカルで造るジン。奈良県高市郡明日香村で採れた苺“あすかルビー”を贅沢に使用した、苺の橘花ジン。甘い香りに包まれたような気分になります。