弘法大師が奈良の地で伝えた筆作り
の始まりは古く、今より2300年ほど昔、秦の時代の中国に始まったと伝えられております。日本においては、中国文化の伝来と共に大和時代の初期から中国製の筆が輸入されるようになりました。その後、嵯峨天皇の時代に遣唐使とともに中国に渡った弘法大師(空海)が毛筆の製造を修めて帰り、大和の国の住人に伝授したのが奈良筆の、そして日本の筆作りの最初と云われています。奈良筆は、その歴史と伝統に培われた匠の技と心を継承し、高い品質を守り抜くことで、書家や専門家を中心に今も高い評価を頂いております。
あかしやは、古くより大和の国において南都七大寺の筆司として筆作りに従事しており、1655年に初代当主が筆問屋として看板を掲げ、300年という長い歴史と伝統を重ねる名店です。奈良独特の製法による高級毛筆を造りつづける一方で、「筆作り」の技術を活かし、化粧筆や水彩画用の筆など新しい分野でのものづくりにも意欲的に取り組んでいます。
匠の技と心 奈良筆
奈良筆は、あかしやが誇る「筆匠」と呼ばれる伝統工芸士の卓越した経験と技術により、全て手作業で造られる逸品です。羊、狸、鹿、馬、など10数種類の毛から材料を選別し、毛の質と形を整え、約12工程を経て仕上げられる。筆作りに機械を使わない理由は、毛の一本一本が全て異なり千変万化するものであり、しかもその毛を使って規格品を作るには逆に手業の冴、卓越した技術が必要だから。
奈良筆伝統の技法「練り混ぜ法」は原毛を個別に水にひたして固め、その筆の特徴によって配分と寸法を決めて入念に混ぜ合わせるため、穂先の仕上がりに絶妙の味をもった筆が生まれます。書家や専門家にも愛され続ける逸品を是非お使いください。
- 人はなぜ筆記具にこだわるのでしょうか。その人が紡ぎ出す言葉がその人自身を物語るように、人は筆記具に自分自身を語らせたいと願うのかもしれません。ただ書くだけでなく所有する喜び、身につける喜びを満たしてくれる。そんなお客様の愛着の逸品を手にしていただけたら幸いです。
創業300周年を超える『奈良筆あかしや』の次世代へ向けてのビジョンを盛り込んだショールームを新社屋1階に開設しました。伝統につちかわれた匠の技と心を継承しながら開発を進めた化粧筆をはじめ、江戸時代に使用された化粧道具セットや文房四宝など老舗ならではの名品を展示しております。温故知新の精神を受け継いだ伝統と最新の「ふで文化」に触れる事ができるショールームです。是非お立ち寄りください。
(株式会社あかしや 代表取締役社長 水谷豊)
奈良筆は、あかしやが誇る「筆匠」と呼ばれる伝統工芸士の卓越した経験と技術により、全て手作業で造られる逸品です。書家や専門家にも愛され続ける逸品を是非お使いください。