

花の蕾を思わせる色彩に、しっとりと吸い込まれる質感 木曽漆器の職人がつくる逸品で贅沢な晩酌を
職人の手仕事により、ガラスに一つ一つ丁寧に漆が施された、ため息が出るほど美しい酒器。長野県に古くから伝わる木曽漆器の技術とガラスのマッチングにより生まれた作品です。
かつて“百色眼鏡”と呼ばれた万華鏡から名付けられたように、肌がしっとりと吸い込まれるような漆の質感の内側には、花の蕾を思わせるような色とりどりの世界が広がっています。4種類のカラーリングがあり、「白赤」と「白青」はこれまでの漆のイメージを塗り替える優しい色味の白色が使用シーンを広げます。「黒赤」と「朱」は特に漆の印象が強く、落ち着いた漆らしい見た目と内側の色世界のマッチングが魅力的。どの色合いも、ずっと眺めていたくなるような美しさで、日々の食卓を特別なものにしてくれます。

日本の美意識・漆塗りの文化を守りながら、誠実なものづくりを
丸嘉小坂漆器店が工房を構える長野県中部に位置する塩尻市の木曽平沢周辺は、古くは中山道を行き交う旅人のお土産品として人気を博してきた木曽漆器で知られています。木曽漆器は木曽の山々から豊富に産出するヒノキ、サワラ、アスナロなどの良質な材を用いて作った木製品を丈夫にするために漆を塗ったことが始まりと言われています。
日本の美意識や、漆塗りの文化をしっかりと守りながら、その進化系としての自由で新鮮な漆器を作り続けたい。そんな思いで誠実に、丁寧に塗り描かれた器は、一点一点の表情の違いが愛着に変わる、温もりとクールさ、新しさとクラシック感の共存を楽しめます。一色ずつ時間をかけて丁寧に重ねた幾重の線は、まさに職人技。華やかさと落ち着きを持ち合わせた器は、大切な方への、心に残る贈り物としても最適です。
- 丸嘉小坂漆器店では、国指定の伝統工芸士である小坂康人が長野県工業技術総合センターとの共同研究を重ね、1994年に漆とガラスのマッチングに成功し「漆グラス すいとうよ」シリーズの販売を始めました。その後「漆らしさ」を使いやすく楽しいものに昇華させたいという思いで試行錯誤を繰り返し、2013年に「百色」シリーズを誕生させました。
木曽漆器の伝統が息づく木曽平沢の地は、現在は本通りと通称される中山道が南北に縦断し、周辺には伝統的建造物や漆器職人の住まいが建ち並び、風情ある街並みが続いています。木曽平沢駅と奈良井駅の間は散策するのにちょうど良い距離ですので、ぜひ木曽平沢へもお越しいただけたら幸いです。
(有限会社 丸嘉小坂漆器店 小坂 智恵)
木曽漆器技術を持つ職人により、ガラスに一つ一つ丁寧に漆が塗り描かれた、心に響く器。しっとりと吸い込まれるような質感と、内側に広がる万華鏡を思わせる色世界。漆の新たな表情を楽しめる逸品です。