弥生時代から続く稲作の地 稲の力を引き出す米作り
長野県北東部に位置する中野市柳沢。千曲川と志賀高原を源流とする夜間瀬川が流れ、河岸段丘や扇状地からなる地域です。2008年から発掘調査が行われた柳沢遺跡からは銅戈や銅鐸のほか、水田跡も見つかっています。また、豊作をもたらすと考えられていた鹿を描いた土器が出土するなど、弥生時代から稲作の名地だったことが伺えます。
夏の気温は35℃、冬は1mを超える降雪がある内陸性気候であり、気温の日較差が大きく、降水量が少ない柳沢で栽培されるお米は高い品質を誇ります。
小柳農園では、連綿と受け継がれてきた米作りの文化を将来の世代にも繋ぎたい、地域の魅力を発信していきたいという想いで、安全安心にはもちろん、味わいや食感にも徹底的にこだわった米作りに取り組んでいます。
秋の田起こしで藁を土に戻し、春には丁寧に土作りをします。他の地域よりも1ヶ月遅い6月の端午の節句には苗間を少し広くとって田植えをし、土地に合う有機質肥料を選びぬき、稲の力を最大限引き出す環境を整えます。稲は、イトミミズ、ドジョウ、ザリガニ、カモなどが溢れる田んぼで育っていきます。時期をずらした田植えの効果が最も顕著にあらわれるのは収穫の頃。寒暖差の大きい秋深くに収穫期を迎えることで、食味がぐっと向上し、インパクトのある甘みと香り、噛みしめたときの粘りと余韻を生み出します。
皇室新嘗祭に献上されたお米
その起源は古く、古事記にも天照大御神が行ったと記されている新嘗祭は、天皇陛下が宮中で営まれる宮中祭祀であり収穫感謝の大祭です。平成24年の秋、小柳農園のお米が「皇室新嘗祭献穀米」としてこの新嘗祭の献納式に呼ばれました。当時の皇室新嘗祭献穀米と同じように育成したのが、コシヒカリの皇室新嘗祭献上米です。
稲に寄り添い、元気に育てる、そのために厳選した国産粉状肥料での土づくり、苗間を少し広くとった田植えを行い、農薬の使用を最小限にし丁寧に草取りをする。子供を育てるように、元気な稲のためにできる全てを注いで作っているため、わずかしか収穫できません。
寒暖差の大きな秋深くに収穫するため、食味がぐっと向上し、インパクトのある甘みと香り、かみしめた時の粘りと飲み込んだ後に口に残る余韻が特徴です。炊き立てと冷めてからの2回味わって頂きますと、味の変化と美味しさを強く実感頂けます。
- 私たちは、連綿と受け継がれてきた米作りの文化を将来の世代にも繋いでいきたい、地域の魅力を発信していきたい、そんな想いから安全安心はもちろん、味わいや食感にも徹底的にこだわった米作りに取り組んでいます。最も大切なのは稲を元気に育てること。稲の葉を、根を守ることを一番に考えています。そのために土づくりに手間をかけ、苗間を少し広くとり、農薬は最小限に、有機質肥料を使うことで稲の成長を助けていくことを心掛けています。大変な手間がかかりますが、田んぼにはイトミミズ、ドジョウ、ザリガニ、カモなどたくさんの生物が溢れ、自然と共存する中で稲が実ります。こうしてできたお米を食べた方から「美味しかった」と声を頂けたときの喜び、それが私たちの米作りの原動力です。
1年に1回しかできない米作りだからこそ、先のことを考え、1枚毎の田んぼで作り方を工夫・研究し、少しでも多くのお米を、茶碗一杯から広がる笑顔をお客様にお届けできるよう、日々精進しています。
(小柳農園 新井康寛)
平成24年の秋、皇室で行われる宮中行事新嘗祭に献上させていただいた「皇室新嘗祭献穀米」と同じように育成したお米です。土づくり、肥料にこだわり、農薬使用をできる限り抑え、手塩にかけて作り上げました。