南アルプスと中央アルプスを望む絶景
信州伊那谷は南アルプスと中央アルプスの間に位置し、昔から平地では農産物を作り、傾斜地で馬の飼育が盛んな土地でした。そのため、「牧」と名の付く地籍が多数みられます。また、馬肉を食べる文化があるのもそのためです。
戦後、食生活向上のために養豚が全国に広がりましたが、温暖で穀物物流の良い、九州、愛知、北関東が中心となりました。伊那谷も当初は養豚が盛んな土地でしたが、寒暖の差が激しく、飼育の際の温度管理はコストがかかり、難易度も高い事から、今では養豚農家の数は、ピーク時の10分の1になっています。
ハヤシファームは、この伊那谷の天竜川支流の阿知川沿いの急傾斜地で、南アルプスや恵那山の見えるロケーションの良い場所にあります。養豚業にとって厳しい環境を活かして、こだわりの美味しい豚を育てています。
今では希少品種となった幻の豚
昭和初期に主流であり、今では希少品種となった「中ヨークシャー種」を原種豚(母豚)にし、きめこまかな管理体制で豚を育てています。中ヨークシャー種の肉は筋繊維が細かく、味が濃い品種ですが、飼育日数やサイズといった効率性の観点から次第に減り、今では全国の豚の1%以下となりました。
この寒さの厳しい伊那谷での飼育は温度管理の観点から大変ですが、この寒暖の差が筋肉の収縮を促し、美味しい豚肉になると林社長は考えています。
美味しさの指標と言われているオイレン酸や遊離グルタミン酸の含有量が高く、柔らかい肉質が特徴です。何度もロットを区切って、飼料と食味の研究を繰り返した結果、アーモンド、ココナッツ、そばなど植物由来の飼料に辿り着きました。また、ハーブや生菌剤を与えて、なるべく抗菌剤に頼らない元気な豚づくりを目指しています。
- 豚肉は「どれも大差がないだろう」と思っている皆さんに、「なるほど、これは美味しい」と言って頂ける豚を育てようと日々勉強をしております。目指す豚肉は「秋山の猪肉」。融点が低くても柔らかく、ドリップの出ない、遊離アミノ酸が豊富なお肉です。そのため、筋繊維が細かい「中ヨーク」という希少な品種の系統の豚にアーモンド等のナッツを始めとしたこだわりの飼料を食べさせ、地下150mからくみあげた美味しい水を与えています。是非、私が育てる「幻豚」を味わって頂き、違いを感じていただければと思います。
(ハヤシファーム 代表 林喜内)
筋繊維が細かく、味が濃い品種の中ヨークシャー種を原種豚とした「幻豚」のロース、モモ、バラ肉のしゃぶしゃぶセットです。「秋山の猪」の味を目指して育てた、脂の甘味と旨みをお楽しみいただける逸品です。