一子相伝の秘法
原了郭の代表商品が「黒七味」。配合は一子相伝の秘法ですが、原料は、白ごま、唐辛子、山椒、青のり、けしの実、黒ごま、おの実を使っています。
材料をから煎りして、唐辛子や山椒の色が隠れるまで手で揉み込むことによって独特の濃い茶色となります。これが黒七味と称する理由です。こうした手間をかけることで原料の持つ油分が染み出して、手触りはしっとりと、すべての材料の香りが楽しめる、原了郭だけの七味が生み出されます。鼻に抜けるような豊かな香りと奥深い味わい、そして唐辛子のぴりっとした辛さのハーモニーが料理の味を引き立たせます。
選りすぐった特上の山椒のみを使い、清冽な辛さと香りが特徴の細粒粉の「粉山椒」と、厳選した赤唐辛子のみを使い粉状になるまで丁寧に引いた「一味」とのセットでご賞味ください。
13代続く「五感をいかした製造」
原了郭は、元禄16年(1703年)創業。初代・原儀左衛門道喜は、赤穂義士四十七士の一人である原惣右衛門元辰の一子で、剃髪して「了郭」と称し、祇園社門前に店を開いたのが始まりです。
了郭は漢方の名医・山脇先生の処方による御香煎を製造、家業としました。以来、歴代当主が一子相伝でその秘法を受け継いでおります。手間を惜しまず「五感をいかした製造」一筋に。原了郭の御香煎は公卿、宮家、茶人、文人墨客らに愛されています。
- 幼少のころから先代が香煎をつくっている様子を見て育ち、小学校高学年のころには、手伝いをしながら製法を学び始めました。すでに四半世紀以上、香煎づくりに携わってきたことになります。
当家に代々伝わる家訓は「香りを一番大事に製造する」ということで、私も常に香煎の特徴である微妙な香りを醸し出せるよう努力しています。すべての工程を手作業で行っているため、大量に生産するのは不可能です。
材料に関しては、自分の目や鼻、舌で納得できるものを厳選したうえで使用しています。そして、季節の違いによる作業上の微妙な加減は伝授された方法と私自身の「勘」によって行っています。
当店の商品はすべて「香り」が命ですから、良い香りを出すために、細かく砕く、炒る、練る、といった一つひとつの作業に充分な手間隙をかけています。手作りのよいところは、「心」をもった人間がつくっているところであり、心のこもった商品は、必ずお客様にも喜んでいただけるものと信じております。今後も、伝来の技術をさらに磨き、香り高い製品をつくり続けていきたいと思います。
(株式会社 原了郭 代表取締役社長 原 悟)
鼻に抜けるような豊かな香りと奥深い味わいが料理の味を引き立たせる「黒七味」。清冽な辛さと香りが特徴の細粒粉の「粉山椒」と、厳選した赤唐辛子を丁寧に引いた「一味」とのセットでご賞味ください。