伝統製法で造られるバラエティに富む梅酒の面白さ
白扇酒造ならではの伝統製法で造られる梅酒は、それぞれに個性があり、気のおけない仲間との飲み比べなど、豊かな時間を演出してくれます。
6月に仕入れた青梅をおよそ100日間漬け込み、その後実を取り出してからおよそ1年間熟成させ、2度目の夏を経たころには、荒々しかった味もまろやかになり出荷のときを迎えます。
※梅は和歌山県産「南高」「古城」を使用し、目指す味になるよう使い分けています。
本みりん、焼酎、日本酒 三者三様の味わい
(福来純 梅美醂)
「福来純 三年熟成本みりん」に漬け込んだ新しい味わいの梅酒。三年熟成本みりんの自然な甘さと、爽やかな梅の酸味が調和した逸品です。砂糖などの添加物を使用せず雑味がなく、食前酒やお休み前の一杯におすすめです。
料理の隠し味として仕上げに少しお使いいただくと、ほんのり上品な甘みとコクが増します。
(花美蔵 梅酒)
白扇酒造が自ら仕込んだ米焼酎と氷砂糖で漬け込み、「福来純 三年熟成本みりん」で味を調えた梅酒。甘さ控えめながら、みりんの旨みと調和した独特な風味が特徴です。
(花美蔵 酒蔵の梅酒)
白扇酒造が自ら仕込んだ米焼酎と氷砂糖で漬け込み、同じく自社醸造の日本酒で味を調えた梅酒。さっぱりとした味わいで、爽やかな梅の酸味が際立ちます。
沛王(はいおう)が酒を買いに来る蔵
岐阜県中濃地域に位置する加茂郡川辺町に江戸時代後期から蔵を構える白扇酒造には、氏神「太部古天神社(たべこてんじんじゃ)」の祭礼で神の使い「沛王(はいおう)」役が三升徳利を下げてお酒を買いに来ます。「酒買いの儀式」と呼ばれるユーモラスなこの儀式は、飛騨路と美濃路を結ぶ交通の要衝で材木の集積地でもあったこの地域が、お酒にも親しんできた風土であることを感じさせます。
※沛王(はいおう)・・・さかんな気力、体力の持主である漢の高祖の別名。「酒買いの儀式」に使用される沛王の面は、左甚五郎の作と伝えられ、国の重要文化財となっています。
- 白扇酒造は、この町で古くから「びりんや」として、また最近では「福来純三年熟成本みりん」や清酒「花美蔵」の醸造元として地元の人々に親しまれてきました。
緑豊かな山と清らかな川に囲まれた、水に恵まれた土地で、私たちに与えられた原料、地下水、伝統的製法などの財産を活かし、「おいしさ」にこだわってここでしかできない製品を造り続けています。
原材料は製品の命です。みりん、日本酒、焼酎などの基本は麹にあると考えています。元気な麹は手造り麹に限るという信念のもとに、製麹機などの機械を使わず昼夜手作業ですべての製品の麹を麹室で育てています。
昔ながらの手作業を続けることは、なかなか大変なことです。
朝早い仕事や力のいる作業、何年もかけ熟練しないとできない作業、量産もできず時間もたっぷりかかります。しかし、すばらしい味の製品に仕上がった時には、何物にもかえがたい喜びがあります。これからもこの製法を守り続け、この喜びが味わえるようがんばります。
(白扇酒造株式会社 四代目 加藤孝明)
「福来純」ブランドの本みりん、「花美蔵」ブランドの日本酒で知られる白扇酒造が、2度の夏をかけて、みりん、清酒、焼酎それぞれをベースに仕込んだ梅酒3種のセット。味わいの違いを飲み比べください。