歴史ある豊田のお茶畑
豊田の茶栽培の起源は古く、江戸時代文化文政の頃、愛知県知立市八橋の無量寿寺住職・梅谷売茶翁が、茶を薬用効果がある飲み物として説き、全国に広め、 茶の種子を斡旋すると共に栽培方法も教えたと伝えられています。
この時、花園村(豊田市花園町)に住んでいた、酒造りで有名な寺田伝兵衛が最初に茶の種を蒔き、茶畑を作りました。その後、近隣の吉原村、中根村に茶園を増加させ、刈谷藩の茶産業を担うようになったといわれています。
高香園は、この歴史ある吉原町で古くから茶の栽培に携わってきました。昭和20年の創業以来、親子三代にわたり、 茶の木の自園栽培、製茶、販売を一貫して行っています。
てしごとが織り成す高香園のお茶
まず土壌をつくり、そこに茶の木を植え育て、ひとの手で丁寧に手摘みした茶葉を、園主の技術と経験で香り高いお茶へと仕上げる。お客様に「また飲みたい」「まいにち飲みたい」と思って頂けるよう、そこに至る全ての過程に、力と心を尽くす。それが、高香園のお茶づくりです。
できあがるお茶の味には、木が根を張り育つ土壌の質が深く関わります。目指す美味しさのために、高香園はまず、土作りにこだわります。栽培期間中は、有機肥料を用い、農薬は控えています。また、剪定をせず、できるだけ自然の叡智にまかせて、茶の木を自家栽培しています。
新茶の季節、高香園の茶畑は、地元の女性たちの楽しげな声でにぎわい、陽ざしをたっぷり浴びた茶葉の胸のすくような香りに満たされます。「お茶摘みさん」が柔らかい新芽だけを選り分けながら、一枚一枚手摘みするのです。ひとの手で摘まれた茶葉は、飲み比べるとそれと分かるほど、旨みと香りが違います。
そして、その年ごとの茶葉の具合に合わせて、蒸して乾燥させた荒茶。園主は、さらにもう一手間「火入れ」をします。見極めるその温度が高すぎても、低すぎても、お茶の香りを損ねてしまいます。しかしこれを経てこそ、高香園の「香り高く、印象に残るお茶」となるのです。
自慢の抹茶焼き菓子
高香園の手摘み抹茶の焼き菓子は、伝統的な自然仕立て手摘みの抹茶を贅沢に使用した、抹茶そのものの風味が味わえるお菓子です。しっとりとした生地の食感と、濃厚な抹茶の香りは一度食べると癖になります。そのままでも、点てた抹茶のお茶請けとしても美味しく召し上がっていただけます。
- 高香園には、ふだん飲むお茶を求めて、また、ちょっとお茶を一服、とたくさんのお客様が日々お見えになります。お茶屋というなりわいのこだわりは守りながら、お客様には気構えることなくくつろいで、お茶の美味しさを楽しんでいただきたい。いつもそんな思いで、店を開けています。
【三代目園主 野場義尊】
愛知県内では最高位の、茶審査技術六段を保有。
平成9年、第68回京都府茶審査技術競技大会、個人の部で優勝。
(高香園 三代目園主 野場義尊)
抹茶とほうじ茶を贅沢に使用した、しっとり食感の焼き菓子。高香園の手摘み茶の個性をシンプルに楽しめます。手土産にもおすすめです。