2016/6/29

夏のいいものグルメ

 JR東海沿線エリアには、伝統野菜やブランド肉など、地域に愛されてきた個性豊かな味覚がたくさんあります。
今回は「愛知・岐阜・三重」の3県のエリアの中から、これまでいいもの探訪でご紹介しきれていなかった食材を中心に、夏真っ盛りのこれからの時期に旬を迎える”いいもの”をご紹介します。

  • line

海の幸・川の幸

海に面した愛知・三重、木曽三川の豊かな水に恵まれた岐阜は、海の幸や川の幸の宝庫です。

三重

「伊勢まぐろ」

 なめらかな食感、クセのない甘味と旨みが自慢の伊勢まぐろ。リアス式海岸が美しい三重の南伊勢町神前浦の養殖場で、心を込めて育てられています。暖かい黒潮と紀伊山地からのミネラルを豊富に含んだ海水が混ざる漁場は、冬場の海水温が低いため余分な脂肪が少なく、身の引き締まった魚が育ちます。

「伊勢まぐろ」

三重

「あわび」

 「あわび王国」とも称される伊勢志摩のあわびは、古くから伊勢神宮へ奉納してきたと言われる縁起物。あわびを薄く切って伸ばした「熨斗鮑」は、贈答品に巻く「のし紙」のルーツです。海女さんによる素潜りが中心で、思わずうなる味わいと食感は、まさに磯の宝。コリコリとした肉厚の身を噛みしめれば、ジューシーな旨味が口いっぱいに広がります。

「伊勢志摩のあわび」

愛知

「日間賀島のタコ」

 愛知県にある日間賀島の名物であるタコは甘味があり、年中味わえますが、夏に旬を迎えます。タコの丸茹でやお刺身・お寿司など、様々なメニューで味わいと食感を堪能できます。

「日間賀島のタコ」

岐阜

「岐阜の鮎」

 鵜を川に離し、篝火で驚かせた鮎を鵜に捕らせる長良川の鵜飼は、岐阜県における夏の風物詩。また「郡上鮎」と呼ばれる、郡上地域の長良川水系の河川において漁獲された天然鮎は、身の引き締まった、上品な味わい。鮎の成魚は川底の石に生えた藻を食べるため、水系により味が異なると言われています。
長良川、揖斐川などの川沿いでは、9〜10月頃に梁漁(やなりょう)と呼ばれる、石などを敷いて堰き止めた水流で、鮎のつかみ取りを体験できます。

「岐阜の鮎」

©岐阜県

愛知

「愛知一色産うなぎ」

 栄養価の高さから、古くから暑い時期を乗り切るために食べる習慣があるうなぎ。おだやかな三河湾に面し、温暖な気候と豊かな自然に恵まれた愛知県西尾市一色町では、明治37年頃から本格的にうなぎの養殖が始められました。しらすと呼ばれる稚魚のうちから生育するため、生育条件なども確実に把握でき、安心性の高さが特長。手間ひまをかけて育てられたうなぎは皮が柔らかくて良質な脂がのっています。蒲焼き、白焼きや名古屋名物のひつまぶしなど、様々な味わい方ができます。

「愛知一色産うなぎ」

暑い夏にはお肉を食べてスタミナを!このエリアには、飼料や環境にこだわって大切に育てられた質の高いお肉が揃っています。

岐阜

「飛騨牛」

 まろやかで柔らかく、豊潤で上質な肉の旨みが特長の有名ブランド牛。名牛「安福号」の子孫を中心に、岐阜県の豊かな自然と優れた技術によって育てられた黒毛和種の中でも、岐阜県で最も長く飼養されていること、飛騨牛銘柄推進協議会が認定・登録した生産者によって岐阜県内で14ヶ月以上肥育されていること、日本食肉格付協会によって肉質等級が5等級・4等級・3等級に格付けていること、といった基準をすべてクリアしたことを協議会事務局が確認し、認定した牛肉だけが名乗れるブランドです。

「飛騨牛」

三重

「松阪牛」

 日本を代表する和牛のひとつで、濃厚な肉の旨みと香り、脂肪の溶け出す融点の低さによる舌触りの良さが特長。生後12ヶ月までに松阪牛生産区域内に導入され、個体識別管理システムに登録された黒毛和種、未経産の雌牛であることや、生産区域内でのみ肥育され、生産区域内での肥育期間が最長・最終であることなどの厳しい定義があります。

「松阪牛」

愛知

「みかわ牛」

 認定基準をクリアした生産農場で1年以上飼育された黒毛和種の中から、3等級以上の品質であること、配合にこだわった共通の飼料を使用していること、県内3食肉市場に出荷することなどの定義を全て満たしたもののみに与えられるブランド。生産から加工まで徹底した衛生管理を行っています。まろやかな舌触りとジューシーな肉質は和食にも洋食にも合います。

「みかわ牛」

愛知

「みかわポーク」

 愛知県の東三河地区で生産されており、オレイン酸が豊富に含まれたきめ細かい肉質、上品な脂が持ち味。愛知県が開発した優良な系統豚3品種を交配した系統三元豚を、高い飼養技術を持つ限定した生産者が統一した専用飼料で育てており、肉質や脂肪の付き方など一定の基準で限定されたものだけが「みかわポーク」に認定されています。

「みかわポーク」

岐阜

「飛騨旨豚」

 岐阜県の自然豊かな飛騨高山と中津川で育てられており、しっかりと味のある赤身と上品な甘みを持つ脂身は、さっぱりとしながらも旨味があります。飼育環境にもこだわり、生まれてから出荷に至るまで、抗生物質や合成抗菌剤といった薬物を一切使用しない飼料を与えるという、国内でも極稀な方法で飼育されます。

「飛騨旨豚」

三重

「伊勢うまし豚」

 三重県産の柑橘を飼料に入れており、さわやかな肉の味が特長。1980年代に県内3銘柄豚(伊賀豚、松阪豚、鈴鹿山麓豚)の生産者が結集し生まれた「みえ豚」の飼料の配合バランスを更に改良し、新たに「伊勢うまし豚」となりました。

「伊勢うまし豚」

愛知

「名古屋コーチン」

 言わずと知れた地鶏の代表格。明治初期に維新によって職を失った元尾張藩士海部兄弟が新たな職として養鶏業に取り組む中で生み出されたとされています。じっくりと時間をかけて平飼いにより運動をともなう飼育を行っているため、肉は適度にしまった歯ごたえとコクのある旨味を楽しめます。卵は美しい桜色をした卵殻と、卵黄の濃い色、滑らかで濃厚なコクのある美味しさが特長です。

「名古屋コーチン」

岐阜

「奥美濃古地鶏」

 赤みを帯びた肉と、適度な脂肪が付着することによって醸し出される歯ごたえの良い旨みが特長。奥美濃の自然の中で育った地鶏は、飼料にもこだわって自然に近い形で丁寧に育てられています。特定JASに準じた適切な生産管理を行っている生産者のみを生産者として認定しており、認定した生産者に対しては定期的に調査を行って品質の維持管理に努めています。

「奥美濃古地鶏」

果物

平地が多く豊かな水利がある愛知や温暖な気候の三重など、多様な地形と気候条件を備えるこのエリアでは、恵まれた気候風土と高い技術力で作られた果物も魅力です。

愛知

「いちじく」

 全国1位の出荷量を誇る愛知県のいちじく(JAあいち経済連ウェブサイトによる)は、果実が大きいのが特徴。甘くて独特の旨味があり、食物繊維を始めビタミン類やカルシウム、鉄分などのミネラルを多く含んでおり美容と健康に良いと言われています。いちじくを使ったジャムやジュースも人気です。

「いちじく」

愛知

「メロン」

 愛知県でのメロン栽培の歴史は古く、明治時代には尾張地域を中心にマクワウリの産地が形成されており、東三河地域では温室メロンの試作が始まっていました。その後、施設園芸の普及とともに栽培が拡大し、現在では東三河地域を中心に大産地が形成されています。
とろけるような果肉とジューシーな甘みが特長の愛知県のメロンは夏場に出荷のピークを迎えます。

「メロン」

編集後記

 今回の取材にあたっては、岐阜県様、三重県様、松阪市様、JAあいち経済連様、JAぎふ様、JA全農みえ様、岐阜県漁連様、みえぎょれん様、日間賀島観光協会様など、非常に多くの皆様にご協力いただきました。ありがとうございました。
 多様な地形と気候条件を備える愛知・岐阜・三重のエリアには、各地域に特色ある食材が溢れています。今回掲載したのはほんの一部。これから「旬=味の良い食べ頃の時期」を迎える海の幸や川の幸や果物、暑い夏を乗り切るためのスタミナ補給に欠かせない美味しいお肉を食べて、地域の魅力を感じませんか。

※写真・イラストは全てイメージです。

「いいね!」を押していいもの探訪の最新情報をチェック!