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喪中のときにお歳暮は贈る?
正しいマナーやのしの書き方とは

喪中のときにお歳暮は贈る? 正しいマナーやのしの書き方とは

お歳暮は年末の時期に、日頃お世話になっている方々に感謝の気持ちや一年間のお礼を伝えるためのものです。しかし、自分が喪中の場合や贈る相手が喪中の際にはどのように対応すればよいのでしょうか。

今回は、そもそも喪中とはどういうものなのか、喪中の期間にお歳暮を贈ってもよいのかなど、喪中にまつわるお歳暮のマナーについて解説します。

【目次】

喪中とは

自分や相手が喪中のときに、年賀状を出してはいけないことは一般的にもよく知られていますが、喪中という風習の由来や正しい期間についての知識はあいまいという方もいらっしゃるでしょう。

まずは喪中そのものの基礎知識についてご紹介します。喪中とともによく耳にする「忌中」との違いについても、この機会に正しく理解しておきましょう。

喪中と忌中の違い

親兄弟や祖父母といった近親者の死に際して、一定期間喪に服することを服忌や忌服などと呼びます。

「忌」と「服」で持つ意味は多少異なり、「忌」とは喪中の期間でも特に故人への祈りに専念する期間です。仏教では四十九日の法要まで、神道では五十日祭までの期間を指し、これを忌中と呼びます。
一方「服」は故人への哀悼を表す期間で、いわゆる喪中のことです。そのため、忌中というのは喪中の一部であり、その中でも特に故人に対して厳格に向き合う期間と言えます。

喪に服するとは、具体的には故人の死を悼み慎ましく行動することで、かつては喪服を着て娯楽や酒肉を絶って生活していました。
現代の忌中、喪中はそこまで厳格でこそありませんが、祝い事を避ける風習は踏襲されています。

喪中の期間

明治時代においては法令によって喪中の期間が明確に定められており、父母・夫は13ヶ月、養父母・義父母・祖父母(父方)・夫の父母は150日、妻・子供・兄弟姉妹・祖父母(母方)・伯叔父母・曾祖父母の場合は90日、養子は30日などとされていました。

これを一つの基準とすることもありますが、既に法令が撤廃されているうえ、喪中の期間は宗教や考え方の違いによって諸説あるため、現在ではこれといった決まりはありません。
あくまでひとつの目安ですが、父・母や配偶者の場合は不幸があった月から12〜13ヶ月間、子供の場合は3〜12ヶ月間、兄弟・姉妹、祖父母は3〜6ヶ月間、同居している家族の場合は親等に関わらず1年前後というのが一般的なようです。

喪中のときにお歳暮を贈ってもよい?

喪中の期間中は祝い事を避けるのがマナーとされています。しかし、お歳暮やお中元はお世話になっている方への感謝の気持ちやお礼を伝える時候の挨拶なので、相手が喪中であっても贈ることができます。
もし気になる場合は事前に先方へ連絡を入れ、了承を得た上で寒中見舞いとして贈るとよいでしょう。

喪中の相手にお歳暮を贈る際のマナー

喪中の相手にお歳暮を贈るのは問題ありませんが、注意すべき点がいくつかあります。喪中の期間にお歳暮を贈る際に気をつけたいマナーについて解説します。

故人宛に贈るのは控える

お歳暮は人との縁が切れた段階で贈らなくてもよいとされています。死別は相手との縁が切れるということなので、故人に対してお歳暮を贈る必要はありません。
相手のことを想って贈るお歳暮ですが、むしろご遺族を悲しい気持ちにさせてしまう可能性もあるので、たとえ長年習慣として贈っていたとしても、故人宛に贈ることは控えた方がよいでしょう。

のし紙(熨斗)に注意する

通常のお歳暮では紅白の水引を掛けたのし紙を利用しますが、紅白の水引は元々慶事の際に使用するものなので、喪中期間の贈り物に使うのはふさわしくありません。
喪中の際には、無地の奉書紙や白い短冊に「御歳暮」の表書きをし、シンプルな包装紙に包んで贈るようにしましょう。
店舗やネットショップで包装を依頼する際は、喪中の相手に贈る旨を伝えれば、 お店側で適切に対処してくれます。

⇒お歳暮の熨斗(のし)の種類・書き方・マナーを解説
https://e-mono.jr-central.co.jp/column/oseibo/noshi.html

四十九日が過ぎるまでは控える

前述のとおり、四十九日の法要を終えるまでは忌中にあたり、遺族はさまざまな対応に追われたり故人の死を受け入れたりすることに精一杯で、心身ともに落ち着かない時期です。そのような先方の事情を慮り、お歳暮を贈ることは自粛するのがマナーです。
また忌中の贈り物は、贈る側はお歳暮のつもりでも相手は香典として捉えてしまうなど、こちらの趣旨が相手に伝わらないことも考えられます。

もし忌明けを待つとお歳暮の時期を外してしまうようなケースであれば、松の内が明けたのちに「寒中御見舞」や「寒中御伺」として贈るようにしましょう。

贈る時期や送り状の文言に気を付ける

喪中の相手に、お歳暮や寒中見舞いとして贈り物をすることは問題ありません。しかし、松の内の期間は新年を祝う慶事に当たるため、「お年賀」として品物を贈るのは避ける必要があります。
松の内は地域によって期間が異なりますが、関東では年明けから1月7日まで、関西では1月15日までを指すのが一般的です。

また品物に送り状などの手紙を添える場合は、おめでたい言葉を使わないよう配慮が必要です。
特に寒中見舞いの時期は、新年ということもあって「新年明けましておめでとうございます」といった、おめでたい言葉を使ってしまいがちなので注意しましょう。

⇒お歳暮を贈る時期はいつまで? 贈り先や品選び、贈り逃した場合なども解説
https://e-mono.jr-central.co.jp/column/oseibo/jiki.html

⇒お歳暮の送り状は必要? マナーや書き方・文例もご紹介
https://e-mono.jr-central.co.jp/column/oseibo/okurijo.html

自分が喪中の場合のマナー

喪中の相手にお歳暮を贈る際のマナーについて解説してきましたが、自分が喪中の場合はどのような点に注意すればよいのでしょうか。
ここでは、自分が喪中の場合に気を付けるべきマナーについて解説します。

自分が喪中でもお歳暮は贈ってもよい

自分が喪中であっても、日頃の感謝の気持ちを伝えるためにお世話になった方へお歳暮を贈ることは何ら問題ありません。
相手が喪中の場合と同様、四十九日の法要あるいは五十日祭を終えてから贈るようにし、のし紙はシンプルなものを選ぶようにしましょう。

ただし、宗教や宗派によっては、死を「ケガレ」として捉え、喪中の人からの贈り物を気にする方もいらっしゃいます。もし可能であれば事前に先方へ確認を取るなどして、適切に対処するよう心がけましょう。

故人宛に贈られてきた場合もお返しをする

「亡くなったことを知らなかった」「知っていたが毎年の習慣として贈った」「喪中はがきと行き違いになってしまった」などの理由で、故人宛にお歳暮が届くケースも考えられます。
このような場合、いただいた品はありがたく頂戴したうえで、お礼状を添えて同額程度の品物をお返しするのがマナーです。

その際お礼状には、「○○は、○月○日に永眠いたしました。ご連絡が行き届かず申し訳ありませんでした。」というような亡くなったことを知らせる内容と、連絡の不行き届きに対するお詫び、そしてお歳暮を贈っていただいたことへの感謝の意を書き添えるようにします。
故人に対してお歳暮を贈ってしまったことに自責の念を抱いていることも考えられるので、そのような先方の気持ちに配慮することも大切です。

⇒お歳暮のお礼状の書き方は? ビジネス/個人別にマナーと文例を紹介
https://e-mono.jr-central.co.jp/column/oseibo/letter.html

喪中時のお歳暮はマナーを守れば贈ることができる

相手や自分が喪中の際のお歳暮のマナーについてご紹介しました。
喪中というデリケートな期間においては、贈り物などを躊躇してしまいがちですが、お歳暮とは元々感謝の気持ちを相手に伝えるためのものです。

喪中の場合を始めお歳暮を贈る際は、贈る時期やのし紙、送り状の文言などのマナーを守り、相手に不快な気持ちを与えないように配慮することが何よりも大切です。

⇒お歳暮のマナーとは? 贈る品物やお返しについても解説
https://e-mono.jr-central.co.jp/column/oseibo/manner.html

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