JR東海沿線には、水や米に恵まれた土地も多く、古くから地元で親しまれてきた美味しいお酒もたくさんあります。
今回は、いいもの探訪でご紹介している中から、お酒を愉しむときにかかせない気の利いた酒の肴もあわせて、ご紹介します。
どれも担当者がJR東海沿線を巡って、いい気分になりながら見つけた逸品ばかり。
ぜひ気のおけない仲間とお楽しみください。
古くから醸造業で栄えた知多半島、半田。この地で江戸時代に創業し、今も半田運河沿いで酒造りを営む中埜酒造が醸す香り高いお酒です。酒造好適米の「山田錦」を丹念に磨き、調和のとれた芳醇な香りとふくよかな味わいが特徴です。
飼育から加工、販売、品質管理まで自社一貫体制で行う鶏料理専門店の三和が肉質の良い名古屋コーチンの旨味を引き出した逸品です。
噛むとコクのある旨味が溢れ出し、程よい弾力を感じられ、口の中に残る芳香を楽しめます。
日本アルプスの深き山々が連なる飛騨高山。古い町並みが続き、城下町の風情漂う上三之町で、200年の歴史を刻んできた船坂酒造店が岐阜県上之保産の、栽培期間中農薬不使用のゆずを使用して、伝統の技術で生み出したリキュールです。
ゆずと日本酒の爽やかなハーモニーを楽しめます。
奥飛騨の清冽な伏流水で大切に育てられたチョウザメから得られるキャビア。臭みがなく、香りが非常に良いのが特徴で、昆布出汁を使う和食料理にもぴったりです。
三重県初の酒造好適米「神の穂」を使用、しぼりたてを1回火入れで瓶詰めし、低温貯蔵した数量限定のお酒です。三重県伊賀市の若戎酒造が、米、水、酵母、すべて三重県産の材料で醸しました。爽やかな香りとふくよかな味わいが特徴です。
享保年間創業の老舗が、代々継ぎ足しによってつくられた元溜りを使用し、「浮かし炊き」と呼ばれる独自の技法で煮込んだ後に、釜からすくい上げ、たれを切って仕上げました。
漁獲量を厳しく制限された桑名産はまぐりのほか、浦村産のかき、伊勢湾産のあさりを詰め合わせた逸品です。
東海道16番目の宿場町由比。歌川広重の浮世絵の舞台にもなった富士山の美しいこの町で、優良な酵母と伝統の技で醸された正雪は、澄んだ味わいに果実のような清々しい香りが調和し、切れ上がるような余韻が印象的に仕上がっています。
富士山の潤沢な湧水で育ったニジマスの卵を秘伝のだし醤油に漬込んだ逸品。濃厚ないくらの旨味とプチプチとした歯ごたえ抜群の食感が特徴です。
長野県中央部の塩尻は、少ない湿気、大きな寒暖差、水はけ良好な土壌、といったワイン用の葡萄栽培に適した条件の揃ったエリアです。
ここ塩尻で、日本で栽培された葡萄だけを原料に製造された「日本ワイン」。赤は果実味豊かなフルボディ、白は上品な香りと酸味のやさしい味わいです。
諏訪大社の勇壮な御柱祭でも知られる諏訪地方では、古くから野生の獣や鳥の肉を食する文化が根付いてきました。
この地方で、地元猟師が捕獲した鹿を、解体から加工まで一貫して衛生的に管理され、安心安全な環境で加工されたウィンナーとシーズニングのセットです。
京都伏見は桃山丘陵の質の高い伏流水の湧き出す、日本有数の酒どころです。この湧水と京都府下だけで栽培される酒造好適米「祝」、京都の水と米だけで醸し出したのが「英勲 井筒屋伊兵衛 祝米 三割五分磨き 純米大吟醸」。
米粒を極限の35%まで磨き上げて醸し出した純米大吟醸酒で、華やかな吟醸香とふくらみのある上品な味わいが特徴です。
滋賀県におよそ千数百年前から伝わる発酵食品「鮒寿司」。貴重なタンパク源である鮒を貯蔵するための保存食として食べられてきた滋賀県の古来からの郷土料理です。
そのまま召し上がっても日本酒によく合いますし、〆の一品としてお茶漬けにしてもおいしくいただけます。
編集後記
お楽しみいただけましたか。JR東海沿線を巡る中で、このエリアがまだまだ魅力的なストーリーに溢れていることを改めて感じました。
例えば、今回「ゆず兵衛」をご紹介した、高山の古い町並にお店を構える舩坂酒造店には、ほかにも「四ツ星」という大吟醸があり、良質な「米」、美しい自然から生み出される「湧水」、寒冷で恵み多い「風土」を酒づくりの伝統を受け継ぐ「人」が繋ぐことをイメージしたネーミングとのこと。
また、農作物の豊穣を祈って毎年4月15日に鹿肉とともに剥製の鹿頭が供えられる諏訪大社の御頭祭なども、古くから根付いてきた野生の獣や鳥の肉を食する文化を今も大切に受け継いでいることが伺えます。
各地の人々との出会いの中で教えていただいたことを、これからもどんどん「いいもの探訪」でご紹介していきます。
※写真・イラストは全てイメージです。
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