近年、世界中から和食への関心が高まっています。平成25年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたこともきっかけの1つですが、日本の食文化や食材が世界に評価されてきた証だと思っています。
和食に必要不可欠な「うまみ」も、世界で「UMAMI」と表記され認知されてきています。「うまみ」は、料理のおいしさを決める5つの基本味(甘み、酸味、塩味、苦味、うま味)のひとつであり、和食に無くてはならないものです。昆布などに含まれるグルタミン酸、かつお節などに含まれるイノシン酸、しいたけなどに含まれるグアニル酸が代表的なうまみ成分ですが、今回はかつお節のうまみに注目してみたいと思います。
仕事柄、各地の生産者さんとお話しする機会が多いのですが、かつお節の生産者さんからは、「かつおだしは世界でも注目され始めている一方、日本ではかつお節を削る家庭が少なくなっている」と聞いています。だしパックや顆粒タイプなど、便利でおいしい商品がたくさんあることも要因ですが、食の多様化で和食を家庭で作ること自体が減っているのだと考えています。
毎日、朝早く起きてかつお節を削ってだしをとることは難しいと思いますが、時間に余裕のある休日やほっと一息つきたい時など、自ら削ったかつお節でだしを取り、世界に誇る日本のだし文化を感じて豊かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
「いいもの探訪」では、昔ながらの手火山式でかつお節の焙乾を行っている生産者さんをご紹介しています。静岡県の西伊豆田子にある「カネサ鰹節商店」さんと三重県伊勢志摩の波切にある「まるてん かつおの天ぱく」さんです。両者ともかつお節に対する情熱とこだわりをお持ちで、だしの文化を広めたいという意気込みが感じられました。
私もその情熱に動かされ、久しぶりにかつお節を手に取りましたので、その様子をご紹介したいと思います。
JR東海 小林丈通
ある休日にかつお節を削って味噌汁を作りましたので、その様子をご紹介します。
素人の作業なので、自己流かもしれませんが、一連のイメージをつかんでいただければと思います。
初めてかつお節を削った時までは、難しそう、大変そうと思っていましたが、一度経験してしまえば、実は簡単です。ちょっとしたひと手間で、素晴らしい香りと味わいが楽しめ、優雅なひと時を過ごせます。ちょっとずつ減っていくかつお節にも愛着がわいてきます。 自分で削る時間が無い方は、まずは削り節でかつおだしを取ってみても良いと思います。 ぜひ、肩肘張らずに気軽なキモチでお試しいただき、やみつきになっていただければと思います。ただ、削り器は刃物ですので削るときにはケガをしないようお手元に注意してくださいね。
※写真・イラストは全てイメージです。
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