

Far Yeast Brewing源流ビール
しっとりとした霧に包まれた、瑞々しい緑の渓谷や、耳に心地よい、滔々と流れる川のせせらぎ。
甲府から車を走らせること約1時間半。
トンネルを抜けると、それまでの澄み渡るような青空から一変、日常を忘れるような深い緑が広がっていました。
「多摩源流」と呼ばれる山梨県小菅村は、多摩川と相模川の源流部にあたり、新鮮な空気と、
手つかずの美しい自然が広がっています。この地に「源流醸造所」を構える「Far Yeast Brewing」。
香り高く、美味しいビールづくりの秘密を探りに、つくり手のもとを訪れてきました。


「モノトーン化された日本のビール文化を豊かにしたい」。
そう語るのは、Far Yeast Brewingの山田社長。ベンチャーキャピタルの最前線で活躍され、その後、駐在や留学のため3年間滞在していたヨーロッパで、日本とは異なるビールの文化に出会います。ベルギー、ドイツ、イギリス、アイルランドなど、それぞれの国に根差したビールと、それを楽しむ人々の姿に感銘を受けたそうです。
またケンブリッジ大学に在学中に、インドの「コブラビール」の創業者、Karan Bilimoria氏に出会います。会計士だったKaran氏が、「カレーに合ったビールを造りたい」という思いからビール業界に参入したという講義に心を打たれ、「自分も日本食に合うビールを作りたい。そして日本のビール文化を豊かにしたい。」という思いが溢れます。
帰国後もベンチャーファンドに携わる傍ら、時間を見つけてはレシピの作成に没頭し、自身も特に感銘を受けたベルギーのブリューワリーに委託醸造し、クラフトビール「KAGUA」が誕生します。「KAGUA」ビールは東南アジアを中心に人気となり、事業が軌道に乗りはじめます。そして、いよいよ国内に自らのブリューワリーの建設を計画し、複数の候補から小菅村を選びました。東京に通じる多摩川の源流という素晴らしいストーリー性に加え、山から湧き出る美味しい水、澄んだ空気、冷涼な気温という自然環境が魅力的で、即決したそうです。


ベルギーのように、オリジナリティ溢れるビールが生まれる土壌を作りたいと思い、スタッフは醸造のプロだけでなく、全く異なる分野の方も採用しています。目指すは、「一方的ではなく、お客様が心からワクワクし、楽しんでくれるようなビールづくり」。社長の一貫した思いが伝わってきます。
- 独創的な味と香り
へのこだわり
Far Yeast Brewingのビールの一番の特徴は、その華やかな香り。グラスに鼻を近づけると、他のビールとの違いが分かります。このため、様々な原料を使ったオリジナルビールを造り、独創性溢れる商品が生まれるよう努めています。また、もう一つの特徴は優しい泡。発酵タンクで1次発酵が終わると、部屋を移して瓶内2次発酵を行い約2週間落ち着かせています。
「ナマの状態でお届けするため、早めに飲んでいただくのがおすすめですが、日を置くごとに移り変わっていく味わいの違いを楽しむのも通です。グラスの形によっても香りの感じ方が変わり、白ワインのモンラッシェ型がお薦めですが、ぜひいろいろと試して好みを見つけていただきたいと思います」。つくり手が飲み方を決めつめるのではなく、お客様自身で楽しみ方を見つけて欲しい。ここでも社長の想いが伝わってきました。

社長は、「お店の棚を自分のビールで埋め尽くしたいとは思わない。自分が尊敬するビールと、
自社のビールが並んでいるほうが喜びに感じます。一社だけがうまくいくのではなく、それぞれのブリューワリーと共生し、
お客様に様々なビールを楽しんでいただける文化が生まれることが私の夢です」と仰いました。
Far Yeast Brewing。「Far East(=極東)」とビールづくりに欠かせない「Yeast(=酵母)」を掛けた、
しゃれっ気のある社名。ビール発祥のヨーロッパから見れば、極東、辺境とも言える日本から、
ワクワクするような、魅力的なビールを世界に発信したい。
多摩川の流れが広大な海へ広がるように、多摩源流に生まれたこのクラフトビールがまた、小菅村から東京へ、
そして世界中に広がっていってほしい。そんな思いを込めてつくられたビールを、小菅村からお届けします。
こだわりビール3種の詰合せ。豊かな香りが特徴のアロマホップによる洗練された上質な香りをお楽しみいただけます。瓶内2次発酵にこだわり、ビール本来のもつ「ナマ」の魅力をお届けします。