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2017/6/2

だしの文化を感じる

近年、世界中から和食への関心が高まっています。平成25年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたこともきっかけの1つですが、日本の食文化や食材が世界に評価されてきた証だと思っています。
和食に必要不可欠な「うまみ」も、世界で「UMAMI」と表記され認知されてきています。「うまみ」は、料理のおいしさを決める5つの基本味(甘み、酸味、塩味、苦味、うま味)のひとつであり、和食に無くてはならないものです。昆布などに含まれるグルタミン酸、かつお節などに含まれるイノシン酸、しいたけなどに含まれるグアニル酸が代表的なうまみ成分ですが、今回はかつお節のうまみに注目してみたいと思います。

仕事柄、各地の生産者さんとお話しする機会が多いのですが、かつお節の生産者さんからは、「かつおだしは世界でも注目され始めている一方、日本ではかつお節を削る家庭が少なくなっている」と聞いています。だしパックや顆粒タイプなど、便利でおいしい商品がたくさんあることも要因ですが、食の多様化で和食を家庭で作ること自体が減っているのだと考えています。
毎日、朝早く起きてかつお節を削ってだしをとることは難しいと思いますが、時間に余裕のある休日やほっと一息つきたい時など、自ら削ったかつお節でだしを取り、世界に誇る日本のだし文化を感じて豊かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
「いいもの探訪」では、昔ながらの手火山式でかつお節の焙乾を行っている生産者さんをご紹介しています。静岡県の西伊豆田子にある「カネサ鰹節商店」さんと三重県伊勢志摩の波切にある「まるてん かつおの天ぱく」さんです。両者ともかつお節に対する情熱とこだわりをお持ちで、だしの文化を広めたいという意気込みが感じられました。
私もその情熱に動かされ、久しぶりにかつお節を手に取りましたので、その様子をご紹介したいと思います。

JR東海  小林丈通

かつお節を削ってみました

ある休日にかつお節を削って味噌汁を作りましたので、その様子をご紹介します。
素人の作業なので、自己流かもしれませんが、一連のイメージをつかんでいただければと思います。

  • まずは、かつお節(本枯節)と削り器を用意します。
    かつお節は頭の方から削ります。
    身が斜めになっている方が頭です。
    この写真では左側が頭ですので、左側から削ります。
    (尾の方から削ると粉になってしまうのでご注意ください。)
  • かつお節はカビの力で美味しさを凝縮しています。食べても問題ありませんが、削る面のカビを軽くふき取るとより美味しいかつおだしが取れます。
    私はキッチンペーパーで適当に拭くだけにしています。2,3回、シャッシャとこすりました。
  • いよいよ、かつお節を削ります。
    尾の方を持ち、下から上へ押し込むように削ります。
    慣れるとテンポ良く削れますので、1,2分で削ることができます。
    (下の写真は刃に手が当たりそうなので、もう少し尾の方を持つほうが良いでしょう。)
  • 今回は気分が乗ったため、ちょっと多めに削ってしまいました。
    このような状態になるように削ることができれば大丈夫です。
    我ながら削った面もきれいです。かつお節の中はこのような色をしています。
  • 削りたてのかつお節でだしをとります。
    沸騰したお湯にかつお節を投入。800ccのお湯に20g程度が標準らしいのですが、私は濃い目が好きなので、
    削り器にあったかつお節を全て入れました。
    1分ほど煮出したところで火を止め、キッチンペーパーで濾しました。
  • 濾したかつお節のだし汁を鍋に戻します。
    今回は豆腐とわかめという定番の味噌汁でかつお節のだしを愉しみたいと思います。
    味噌を入れ、ひと煮立ちさせれば完成です。
  • お椀によそって完成です。
    ひとくち飲むと、かつお節の香りと味わいが広がります。削りたてならではの香りと味わいを愉しみ、優雅なひと時を過ごしました。子供にも好評でお父さんの株も上がります。
  • 残ったかつお節は、袋の口を密閉し、冷蔵庫に入れて保存しておきましょう。
    私は、半年以内には使いきるようにしています。

編集後記

初めてかつお節を削った時までは、難しそう、大変そうと思っていましたが、一度経験してしまえば、実は簡単です。ちょっとしたひと手間で、素晴らしい香りと味わいが楽しめ、優雅なひと時を過ごせます。ちょっとずつ減っていくかつお節にも愛着がわいてきます。 自分で削る時間が無い方は、まずは削り節でかつおだしを取ってみても良いと思います。 ぜひ、肩肘張らずに気軽なキモチでお試しいただき、やみつきになっていただければと思います。ただ、削り器は刃物ですので削るときにはケガをしないようお手元に注意してくださいね。

※写真・イラストは全てイメージです。

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